ごいた/Goita(1860)
:20~30分 :6歳~ :4人

こちらはBREMEN Gamesさんの「三角ごいた」です
『ごいた』は石川県能登町宇出津地区で生まれ、100年以上前から遊ばれ続けている伝承娯楽です。
コマは将棋によく似ていますが裏面はなく、将棋とは全く異なるゲームとなっています。
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ゲーム概要
このゲームでは4人がそれぞれ向かい合うプレイヤーとペアを組んで、相手チームより先に手駒をなくすことを目指します。
手駒をなくした時に、最後に出した駒の種類と上がり方に応じて点数がもらえます。
ラウンドを繰り返し、相手チームより先に150点を獲得することを目指します。
駒の種類
コマは全てで8種類あり、それぞれ枚数と得点が異なります。
- 王、飛、角
- 金、銀、馬、香
- し
王、飛、角はそれぞれ2枚ずつ入っています。
金、銀、馬、香はそれぞれ4枚ずつ入っています。
しは10枚入っています。
それぞれの駒の上がり点は、以下の通りです。
駒の種類 | 点数 |
王 | 50 |
飛、角 | 40 |
金、銀 | 30 |
馬、香 | 20 |
し | 10 |
ペアの決め方
「王」、「玉」コマと「し」、「し」コマを混ぜて、それぞれ1枚ずつ引きます。
「王」、玉と「し」、「し」がペアとなり、王、玉を引いたプレイヤーからどちらが親をやるかを決めて、ゲームを始めます。
ゲームの準備
全てのコマを裏向きにして全員でよく混ぜ、環状に並べます。
親は上を向いてコマを見ないようにし、相手チームは1つのコマを指差して「指しました」と親に伝えます。
親は「それ」「1つ前」「2つ先」など、どのコマから取るかを宣言した後、該当するコマを取ります。
以降は反時計回りで順番に、相手に見られないように全てのコマを1つずつ取っていきます。
ゲームプレイ
ゲームは親から反時計回りに進行します。
親は手駒の中から1枚コマを伏せ、もう1枚を表向きで自分の前に出します。
8枚のコマを左から右へと出していきます。上段を受け、下段を攻めとして考えると、理解が早いです。
次のプレイヤーからは相手が出したコマと同じ種類のコマを持っていれば、同じコマを出して受けることができます。
相手のコマを受けたら、好きなコマを手駒から1枚出します。
該当のコマを持っていない場合、もしくは持っているが出したくない場合は、「なし」といって次のプレイヤーに手番が回ります。
味方の攻めは受けられても受けずに「なし」と言って回すのが基本的な戦術です。ただし、盤面の状況によっては、受けた方がいい場面も出てきます。
自分が攻めで出したコマが、誰にも受けられずにもう一度自分の番が回ってきた時、次の番ではまず1枚伏せて出し、もう1枚を表向きで出します。
手駒の内容をパートナー同士で伝え合うのは禁止です。
特殊なコマ
以下の3種類は、特殊なルールのあるコマです。
- し
- 香
- 王
「し」は「し」でしか受けることができません。
「香」は「香」でしか受けることができません。
王、玉は「し」、「香」以外の全てのコマを受けることができます。
ただし、1枚目の王、玉が場に出ていないときは、攻め駒として王を使うことができません。
例外として、自分が王、玉を2枚とも持っている時のみ、1枚目を攻め駒として使うことができます。
得点計算
ゲームを続けていき、誰かが8枚の手駒を全てなくしたら得点計算に移ります。
8枚目に出したコマの種類に応じて、点数を獲得します。
駒の種類 | 点数 |
王 | 50 |
飛、角 | 40 |
金、銀 | 30 |
馬、香 | 20 |
し | 10 |
例外として、7枚目を裏、8枚目を表で出して上がり、かつ7,8枚目が同じ種類のコマであれば、獲得できる得点が2倍になります。
ゲームの終了
得点を記録して、コマを配り直し次のラウンドを始めます。
どちらかのチームが150点に到達したら、ゲーム終了です。
手役
このゲームには通常の得点計算とは別に、コマが配られた時の「し」の数に応じて手役が存在します。
- 5し
- 6し
- 7し
- 8し
- 5しが2組
- 10し
手駒の中に5枚「し」があった時、「し」のコマを表にして公開し「5しです」と宣言します。
5しになったプレイヤーのパートナーは、ゲームを続行するか、配り直しにするかを選択することができます。
手駒の中に6枚「し」があった時、「し」のコマを表にして公開し「6しです」と宣言します。
残った2つのコマのうち、高い方の点数を無条件で獲得します。コマが同じ場合は得点が2倍になります。
6しだった人が、次のラウンドで親になります。
手駒の中に7枚「し」があった時、「し」のコマを表にして公開し「7しです」と宣言します。
残った1つのコマの2倍の点数を無条件で獲得します。
7しだった人が、次のラウンドで親になります。
手駒が全て「し」がだった時、「し」のコマを表にして公開し「8しです」と宣言します。
100点を無条件で獲得します。
8しだった人が、次のラウンドで親になります。
自分も相手チームも5しだった場合、2組とも続行を宣言すれば、ゲームを続けます。
自分もパートナーも5しだった場合、150点を獲得してゲームに勝利します。
ここがポイント!
運と戦略のバランスがよく取れた、4人専用の傑作ゲームです。
高い点で上がるために強いコマを残しておくか、どんどん使って堅実に勝ちに行くか、悩ましいところです。
このゲームのポイントは必ずしも自分が上がらなくても良いという点です。
手駒が悪い時はパートナーにキラーパスを送り、パートナーに相手より先に上がってもらえばいいからです。
基本的な戦略の一つに、「最初の攻め駒には自分が2枚以上持っているコマを出す」というものがあります。
情報を開示することによって、パートナーは自分の手駒を把握することができて、俄然打ちやすくなります。
「し」は10枚もあるので受けられやすい駒ですが、時に「し」を連打して相手の「し」を全て吐かせる「し攻め」がハマることがあります。
そしてこのゲームは親番が有利であるため、「し」の10点上がりにも十分な価値があります。
また「香」は「香」でしか受けられない上4枚しかないため、非常に強力な駒です。「3香」を出され、何もできずに点を取られるということもしばしば起きます。
もの言わぬ対戦だからこそ、相手のことを思いやり、出すコマ1つ1つにメッセージを込めてコミュニケーションを図る奥深いゲームです。
きょーみ
おわりに
能登の伝承娯楽「ごいた」をご紹介しました。何回遊んでも飽きずに楽しめる、是非一度遊んでいただきたいゲームです。
お好みのごいたを
ごいたはカード版、竹駒製など様々な種類がありますが、私はBREMEN Gamesさんの三角ごいたを愛用しています。
- かわいいデザイン
- コマは自立型であるため、手に持つ必要がなく楽
- 箱が得点ボードの機能も兼ねていて便利
の3点が大変気に入っています。ただ木の香り(ヒノキ?)が強いため、苦手な方は注意が必要です。
お手頃価格のカードタイプもあります。
ボードゲームのお店シャッツィさんでは、能登の職人さんが作る竹駒製のごいたを販売しています。
大変人気なため、販売直後にすぐ売り切れます。
竹駒が気になる方は、ボードゲームのお店シャッツィさんのTwitterアカウントをチェックしてみてください。
ゲームマーケットが挟まって予定より遅くなりましたが、ごいた竹駒販売開始します。どうぞよろしくお願いします。https://t.co/2nbbL6kQHx
— ボードゲームのお店シャッツィ (@gameSchatzi) 2018年4月5日
全国に支部が存在
ごいたは全国に愛好家が多く、本部の能登の他にも東京、大阪、神奈川、長野に支部があり、能登ごいた保存会では大会も開催されています。
きょーみ
ichoさんが描いていらっしゃる、ごいたマンガ「ごイカくん」では、8つごいたのコマがキャラクターになっています。
ごいたあるあるが可愛く紹介されていて好きです。
ごしごいた。 pic.twitter.com/sUgymHy8K7
— icho (@_zasshu_) 2018年2月2日
ごいたオンライン
ごいたオンラインでは、PCやスマホからごいたの対人戦を楽しむことができます。
こちらでは主に火曜日の夜、ごいたプレイヤーがオンライン上でごいたを楽しんでいます。気になる方はのぞいてみてください。
※ちなみに「アプリ版ごいた」もあるのですが、5しなどの手役がない上、CPの打ち方が理にかなっていないためオススメしません。